人工知能(AI)をめぐる企業の対応動向を共有
=日本危機管理学会が企業危機・サイバー研究部会=
日本危機管理学会は4月28日、企業危機・サイバー研究部会(部会長・大森朝日日本危機管理学会理事=大森朝日事務所代表取締役=)の2023年度第1回会合をオンライン形式で開いた。PwCコンサルティング合同会社の高盛華氏、深澤桃子氏、古川陽一氏が「AIのリスクとガバナンス動向について」と題して講演。社会的に注目を集めている生成AI(人工知能)について、日本企業の利用状況やリスク管理の状況について解説した。
講演テーマ(提供)PwCコンサルティング合同会社
講演で高氏は、日本企業の間でも生成AIへの注目が高まっていると指摘。2022年にAI 導入企業も前年比で10 ポイント増え、53%に達したと説明した。
深澤氏は、生成AIのもたらす新たなリスクについて、サイバー犯罪、機密情報漏洩、大衆扇動などを挙げた。その上で、AIの社内管理体制を罰則規定を含むルールで規制しようとしている欧米と、自主規制が中心の日本との違いを指摘した。
古川氏は、企業にとってAIの活用は避けられないとの前提に立ち、「活用にブレーキをかけるのではなく、効果を最大化するためのガードレールとガバナンスが必要だ」と強調した。
講演後の質疑応答では、「使用者として気を付けることは」「AIに巨額の投資をする米中に日本はかなわないのか」など、参加者から質問が相次いだ。
オンラインで講演中の高氏